石崎小児科マーク

離乳の進め方

 その2)離乳初期


 離乳を始める時期は生後4ヶ月半~5ケ月半、または体重7K g以上を一応の目安とします。その頃になりますと、赤ちゃんはおっぱい以外の食べ物に興味を持つようになり、親が食事をしていると欲しそうにします。

そうなった時が離乳を始める時期です。始める時期が早すぎますと、赤ちゃんがお腹をこわしたり、食餌アレルギーをおこしたりする事があります。逆に遅すぎますとおっぱい以外の食べ物に興味を無くしてしまい、離乳が進まなくなってしまう事があります。

いずれにしても個人差がありますので、その赤ちゃんにとって適切な時期に離乳を始めることが大切です。

 最初は流動食(スープ、味噌汁、重湯など)から始めます。量は1日1 回1匙(3~5c c)から始め、3日続けて便に異常が無ければ1匙増やします。6ヶ月までに赤ちゃんの茶碗(1杯約100c c)に半分から6分目くらいまで食べるようになっていれば理想的です。

味は薄味にしますが薄味と味無しではまったく意味が違います。薄味にする目的は出来るだけ塩分を制限することではありません。赤ちゃんが大人になった時に、あまり塩辛いものが好きになってしまわないように、薄味のものをおいしく食べれるような習慣を、赤ちゃんのうちからつけてあげようと言う事なのです。

離乳食を赤ちゃんに食べさせる前に、必ずお母さんが味見をして下さい。お母さんが味見をして、ちょっと塩甘いかなと言うのが薄味です。そしてなによりも美味しくなければいけません。お母さんにとって美味しくないものは、赤ちゃんにとっても美味しくないのです。もし美味しくないものを与えておりますと、赤ちゃんが風邪などで食欲がおちたとき、その食べ物が嫌いになることがあります。美味しくないものばかり与えておりますと、好き嫌いの多い子になってしまう可能性があります。

 離乳食にベビーフードを使っても結構ですが、必ずお母さんが味見をしてから使って下さい。ベビーフードの中には決して美味しいとは言えないものもございます。味噌汁は育児書などに上澄みと書いてありますが、まったく意味がありません。上澄みも中身も塩分はまったく同じで、上澄みのほうが塩分が薄いと言うことはありません。

味噌汁の上澄みを赤ちゃんに飲ませると言うことは、栄養分を下に沈めて塩水だけすくって飲ませる事になります。赤ちゃんに味噌汁を飲ませる時はかきまぜて与えて結構です。お宅で飲まれる味噌汁が薄味であればそのまま赤ちゃんに飲ませて結構です。

もし塩味が濃いめであれば、味噌汁を作る時、味噌を少なめに入れて赤ちゃんの分を取り分けてから味噌をたしてお宅の分を作って下さい。出来上がってからお湯で薄めますと、だしも薄まって美味しくなくなります。化学調味料を使っても結構です。化学調味料とは中身はアミノ酸です。アミノ酸とは蛋白質のもとですから体に悪いものではありません。

 離乳食の進め方は重湯から3分粥、5分粥と進めていくことになりますが、ごく少量のお粥を作るのは大変ですので、つぎに手っ取り早い方法の1例を示しておきます。最初は味噌汁から始め、味噌汁に入っている馬鈴薯、豆腐などを味噌汁の中でつぶしてどろどろにして与えます。

次に硬く茹でたゆでたまごの黄身を味噌汁の中でどろどろにして与えます。それらになれたらご飯を味噌汁に入れて、少し煮てからご飯つぶをスプーンの背中で潰しながらあたえます。

これはあくまでも1例ですから、お母さんのあまり負担にならないやりかたで離乳を進めて下さい。離乳食にあまり手をかけますと、赤ちゃんがもし食べてくれないと腹が立ちます。離乳食を無理強いしますと離乳食を食べなくなる事がありますので、赤ちゃんが嫌がったらすぐやめて下さい。