石崎小児科マーク

離乳の進め方

 その1)離乳準備


 離乳の準備として赤ちゃんが生後2ヶ月になりましたら果汁を始めます。果汁を与える目的は、水分とかビタミンの補給ではありません。赤ちゃんは産まれながら勿論味覚も臭覚も持っておりますが、これらの感覚が充分発達してしまうまで、母乳だけしか与えておりませんと、母乳以外のものを受け付けなくなることがあります。

そうしますと離乳食をなかなか食べてもらえないし、離乳を進めることも出来なくなります。ですから味覚があまり敏感になる前に、生後2ヶ月になったら果汁を与え始めます。

 果汁はリンゴが一番無難ですが、桃や梨、ミカンなど、またはベビーフードの果汁でも結構です。最初はなまの果物は、すりおろして、しぼった果汁を水で少し薄めて飲ませます。

果汁を薄める目的は、産まれて初めて母乳以外のものを与えられた赤ちゃんの腸管の蠕動が刺激されて下痢をすることがありますので、そのような下痢を防ぐためであります。

育児の本にはだいたい2倍くらいに薄めると書いてありますが、果物によっては果物2に水1の割合でも結構です。お母さんが味見をして、ちょっと薄いかなと言う程度にしてください。

うす過ぎる果汁はおいしくありません。おいしくない果汁を赤ちゃんに飲ませますと、母乳以外のものは美味しくないんだぞと教えることになります。市販のベビーフードの果汁を使うときも、必ず味見をしてください。美味しくないものは赤ちゃんに飲ませないで下さい。

 飲ませる量は、離乳の原則1日1回1匙(3~5c.c.)を3日続け、便がなんともなければ、4日目に1匙増やします。最終的には1日20~30c.c.まで与えます。

飲ませ方はスプーンで飲ませるか、哺乳瓶を使っても結構です。初めて果汁を飲まされて、いやがる赤ちゃんもおります。そういうときは、無理強いせず、味見をさせるつもりで、毎日同じ味の果汁を赤ちゃんの舌につけてやって下さい。

1週間もしないうちに飲むようになります。無理強いしますと果汁のきらいな赤ちゃんになります。

 生後3ヶ月になりましたら、果汁は薄めなくても結構です。量は1日50~60c.c.まで増やしても結構です。