下痢・嘔吐
子供の嘔吐・下痢症状の80~90%はウィルス感染によるものです。
残りの10~15%が細菌感染、そのほかはアレルギーや消化機能が十分整っていないこと、寝冷えなどによります。
◆症状の経過◆
[吐き気・嘔吐][下痢][発熱]のように嘔吐が先行します。(SRSV感染では大人の場合、下痢からということもあります。)途中から下痢が始まり、1日に5~10回以上の下痢となることもあります。
下痢の出現とともに嘔吐症状は軽くなってくることが多く、食事の摂取も可能となってきます。
* 時には咳・鼻水などの感冒様症状を伴う例もあるため、風邪と診断されることもあります。
◆治療について◆
◎最も大切なこと
1. 脱水の予防:とにかく十分に水分を補給しましょう。
吐き気の強いときは1回に20~50cc程度(極端な言い方をしますと、おちょこ1杯程度)を繰り返しあたえてください(大人の場合は1日2リットル以上が目標です。)
★ この時期に、保護者が根気よく水分の補給をするか否かで、子供の予後が変わります。つまり、脱水が進んで入院による点滴治療が必要になるか、順調に回復していくかの差が出ます。(もちろん、どんなに努力しても、口から摂取してくれない場合もあります。この場合は点滴治療が不可欠です。)
★ 吐くこと、下痢をすることを怖がってはいけません。体の中からウィルスを出して、少しでも早く回復させようという、体の防御反応と考えましょう。吐くこと、下痢をすることは悪いことではありません。
また、子供は母親の反応に敏感です。吐かれることをいやがっている雰囲気をすぐに気づきます。子供の心に負担を与えないためにも、「何回吐いても良いよ、たくさん吐いてたくさん飲んで、早く元気になろうね」と話し、子供に罪の意識を持たせないようにしてください。
★ 吐き気がとまり、下痢だけになったら、とにかく下痢の量に負けないだけの水分を補給してください。食事は胃腸へ負担を与えないものを少量から試してください。食べてすぐに下痢をしてしまってもかまいません。